○○いかがでしょう?

最近はまっているテレビドラマの一つに、「珈琲いかがでしょう?」という番組があります。

やくざな人生を過ごしていた青年が、ある日、ホームレスの暮らしをしているおじさんと出会い、彼が入れてくれた珈琲の美味しさに衝撃を受ける。

珈琲の美味しさと共に人生で初めて人の温かみを感じることが出来、自らも珈琲の修行を志し、それまでの生き方を捨てて「珈琲はいかがでしょう?」という人生を歩き始める、というお話です。

 

私にも同じような体験があります。

10年近く前のことですが、インターネットで、あるガス会社が企画する「インドカレーはいかがでしょう?」の情報を見つけました。

早速申し込みましたが、幸い抽選に当たりました。

私は、その料理教室で衝撃の体験をすることになりました。

バターチキンカレーの調理が進み、ガラムマサラという調合スパイスのパウダーを入れた瞬間、その前とはまるで違う味の奥深さ、香りの豊かさに衝撃を受けました。

味と香りの変化はまるで魔法のようでした。

それから、講師の方が主催する料理教室に月一回のペースで二年くらい通い、インドに9泊する食べ歩きツアーにも参加する貴重体験をすることとなりました。

最高級ホテルレストランから現地のワーカーが空腹を満たすような粗末なレストランまで、インド料理の奥深さを垣間見る企画でした。

現地ではツアー者用の貸切バスで廻りましたが、大きな都市では、きらびやかなドレスを着飾ってホテルのパーティーに高級車で乗り付ける若い美しいお嬢様に遭遇したり、私達旅行者に物乞いしてくる人々に出会ったり、道端で人目も気にせずにごろりと昼寝する男たちも見かけたりして、私にとっては初めて見る衝撃の風景でした。

その後も別の先生が主催するインド料理教室やイベントに参加して、日本料理とは全く違う食文化を堪能しました。

一時は、インドカレーのお店をやってみたいと思ったこともありましたが、離婚裁判や病気・入院など困難なことが続いたこともあり、それは諦めました。

ですが、勤めていた頃は職場のお友達をアパートに招いたり、コロナが蔓延していなかった頃は、親しい方を招いて庭のバーベキュー広場でカレーの試食会などを開きました。

残念ながら、コロナ禍ということと私の病気の関係で、最近は、もっぱら夫婦二人でカレーを楽しんでいます。

今日も、スパイス・ニンニク・ショウガ・ヨーグルトに漬けた鶏もも肉が冷蔵庫で出番を待っています。バターチキンカレーの下ごしらえです。

コロナが収束したら、「インドカレーはいかがでしょう?」とお世話になった看護師さんや理学療法士の方たちもお招きしたいと思っています。

既に、数名の方には、お招きしたい気持ちをお伝えしながら私の個人名刺をお渡ししてあります。

「○○はいかがでしょう?」というお誘いは、きっと、コロナで分断された私たちの人間関係を取り戻すことに繋がっていきそうと期待しています。

大袈裟なようですが、私たち夫婦のこれからの人生の目標は「人と人を繋ぐための出会いの架け橋になっていきたい」です。

そのためにはいろんな方法があるかと思いますが、私の場合、まずは「インドカレーはいかがでしょう?」から始めたいと思っています。

昨日、主治医から手術が出来そうとのお話が聞けたことで、今まで封印していた「あれもしたい・・これもしたい」病の熱が久しぶりに再燃してきました。

 

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ガラムマサラの材料

 

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バターチキンカレーとカボチャのサブジとさっぱりサラダ