ヘルニアと骨転移の痛みの二重苦!!

痛みを言葉にして他人に伝えるのはなかなか難しいです。

歯の痛みの場合は、だいたいの人が経験しているのでその辛さは伝えやすいと思います。

緩和ケアのパンフに、痛みの強さを10段階に分けて評価する指標が書かれていました。

痛み度10   : 「耐えられないほど」痛い
痛み度8 : 「すごく」痛くて「とても」つらい
痛み度6 :  痛くてつらい
痛み度4 : 「少し」痛んでつらい
痛み度2 : 「わずかに」痛む
痛み度0 :  痛みがない

 

10月末、腰椎ヘルニアになる前は、痛み度「0」でした。
ヘルニアになったばかりの頃は突然ズキーンとくる痛みが辛くて、痛み度は最大「10」レベルまで行きました。
その後、徐々に痛みが減ってきたので、「ヘルニアが治まってきたせいかな?」と期待していましたが、「6」前後の痛みになったところで、それ以上痛みが治まる様子が見られず、日中動いていると、また「8」位まで増してきたりしました。
痛みが「5」以上もあると、日中何もする気力が起きず、痛みに耐えて寝てばかりいる毎日になりました。

このブログも、途中まで書いては完成しないうちに日が経過して状況が変わり、また書き直してというのを何回も繰り返してきました。

さすがに、自分でもこんな生活に嫌気がさして、何度も病院を訪ね、痛みを減らすための薬をいろいろ処方してもらいました。

ドクターは、「痛みを我慢していても何もいいことはありませんよ。」と話していて、「それが炎症による痛みであれ、他の原因による痛みであれ、薬で和らげてやりたいことができるように生活することが心身にとって大事なことです。」と言っておられました。

12月に入り、腰椎ヘルニアだけだったらそろそろ痛みが治まってきていい頃とのことでしたが、なかなかそうなっていかない現状に、「やはり骨転移があるかも知れないです。」との見解で、12月半ば近くになってやっと背骨全体のMRIを撮り、結果「骨転移あり」と診断されました。それもヘルニアを発症した場所のすぐ下にある背骨の付近に腫瘍と思われる影が写っていました。

私自身もあれだけ大きなヘルニアの画像を見せられ、数年前とまったく同じL5という位置で生じたヘルニアでしたので、そのときと同じように50日もあれば痛みが取れていくと期待していたのですが、途中から痛み方が変化してきて、当時とは違う嫌な痛みを感じてきていたので、もしかしたらと思っていましたが、大変ショックな結果になりました。

不幸なことに、結局私の腰の激痛の原因は、「ヘルニアと骨転移のダブルパンチだった!」ということでした。「痛みの二重苦」です。

肝臓がん摘出手術後の「侵襲」と呼ばれる症状で、「食べられない、寝られない、息苦しい、の三重苦。」を経験したことはありましたが、今度はそのときとはまったく異なる苦痛を味わっています。

ほとんど同じような位置にヘルニアと骨転移が生じたため、痛みの区別がつきにくく、結果、骨転移ありとの診断が難しくなっていたということでした。

それでも、12月に入ってからドクターは骨転移の可能性を考え、薬の処方を緩和ケアのドクターに委ねるようになりました。痛みのケアに対しては、そちらのドクターの方が適任とのことのようです。

ヘルニア発症時の痛み止めの薬は「リリカ(プレガバリンOD錠25mg)」が主体でしたが、骨の痛みは性質が異なるということで、医療麻薬系の薬「ナルサス錠2mg」が処方されました。

翌日の朝食後、処方通り2錠服用してみましたが、昼近くになって急に吐気が襲ってきて、洗面所に食べたものをほとんど吐き出してしまいました。吐いた後は、何ごともなかったように気分爽快となったので、その後昼食も気分良く食べました。

ところが、午後3時頃、またいきなり吐気が襲ってきて、洗面所にたどり着く間もなく、途中の床に全部吐き出してしまいました。

驚いたことに、吐いたものを見ると、昼に食べたごはんの一粒一粒がほとんど消化されていませんでした。

「これって、胃がまったく動かなかったということ?」と、薬の威力に怖くなりました。

その後、処方されたものの気に留めてなかった吐気止めの薬「オランザピンOD錠5mg」を飲んで、その日は用心のため何もせず早々に寝入りました。

翌日、「吐気止めを飲めばナルサスも飲めるかも?」と思いながらも、「あれだけ胃の活動を止めるだけの強力な薬に対して、吐気止めを飲むことで胃が動いてくれるのかな?」と疑問を感じながらも、ナルサスとオランザピンの同時服用を試してみました。

結果は上手くいき、その後数日は吐気も起こらず、痛みが「5」以下になる日もありました。
ただ、その間37~38.5℃の発熱が続いたため、薬が合わないせいかもと訴え、次の受診日からは、以前ヘルニアの時に服用していた飲み薬「ボルタレン」で、即効性のある坐薬タイプの薬を処方してもらい試してみることにしました。
ただ発熱の原因は、CTの画像から「たまたまその時期に軽い肺炎を起こしていたためのようで、ナルサス服用によるものではないでしょう。」との見解でした。

結果的には、この薬では以前のように痛みを下げることはできず、逆に「7~8」の痛みに増したため、一週間後の受診日には再び「ナルサス」に戻していただき、現在に至っています。

ナルサス」を朝食後に飲んで、次の日の早朝頃薬の効き目が切れてくる様子なので、同タイプの頓服薬「ナルラピド錠1mg」でその間を埋めるなど、いろいろ薬の飲み方や服用時間などを試しながら痛みと闘っています。

そのおかげで、現在は、日中も痛み度「3~5」位になり、簡単な食事を作るなどして何とか過ごせるようになりました。ただ食後は猛烈な睡魔が襲ってくるので、寝てばかりで過ごすことも多いです。

幻覚を見やすくなるということで、予防のため同時に処方された誘眠剤「デエビゴ錠5mg」も服用してみましたが、逆に何度も目覚めたりするなどしたため、以後飲まないことにしました。

「痛いから寝てる」だけではストレスフルの状態が続きます。
ただ、薬で痛みが和らいでもやはり寝てるだけだったら、それもストレスにつながります。
人は何か一つでもやりたいことができない状態が続くと気持ちが保てないのだと思います。

今続けている抗がん剤治療は、明日22日で一旦休薬期間に入ります。
明日は年内最後になりますが、緩和ケアを受診し、今後の薬を処方してもらいます。

年明け5日に別の病院でCTをとり、そこで6日から12日間連続で放射線治療を行うことになりました。

10~15分程度の放射線治療を受けるため、学校に通うように毎日病院に行きます。
放射線治療を行うことにより、骨部にできた腫瘍が縮小するなどして8割程度の患者が痛みを軽減できているそうなので、早くそうなって痛み止めの薬から解放されたいと願っています。
それまでは、薬で痛みを和らげるしかないので、「ナルサス」を服用しながら少しでも生活の質を上げて、楽しく年末年始を過ごしていけたらと思っています。