救いを求めることを覚えなさい。

「断崖絶壁まで自分を追い込むような頑張り方をしてはだめですよ。

あなたは、もともと頑張るのが好きだし、人より頑張れるタイプかもしれない。

何より断崖絶壁というシチュエーションで、人一倍の力を発揮するかもしれない。

でもそれをしてはだめですよ。その手前で、誰かに救いを求めなさい。

断崖絶壁は、落ちたら死。お子さんがいるなら、絶対にしてはいけません。

救いを求めることを覚えなさい。」

これは、子供が小学生の頃に、ある年長の女性の方から言われた言葉です。

その方とは、その日初めてお会いしたばかりでしたが、今思い出しても、的確な助言を頂けたと感謝しています。

教職員OBと地域に住む子育て中の親との教育懇談会の席上でのことでした。

その日の記憶は曖昧ですが、私がそれほどプライベートなことを発言した訳ではないのに、出席された教職員OBの中のお一人の方から、私宛に直球のアドバイスがあって驚いたことを、今でもはっきりと覚えています。

少しの発言とその場の雰囲気から、どうしても私に伝えておかないと・・・、との思いで話されたと想像します。結婚して以来、元夫およびその親族との軋轢に苦しみながら子育てしていましたので、そこに居た私の様子から何かを感じ取っていてくださったのでしょうか。

私は、頑張ることが好きというより、頑張らないことができないタイプの人間でした。
しかも、幼いころからずっと、周りの大人たちからお利口さんであるように扱われてきて、自分自身もつまらない自尊心が強かったので、簡単には弱音がはけない・・・という人間に育ちました。

 その後、実家の父が亡くなったとき、元夫とその母から、亡き父を悼む気持ちさえ持たない残酷で非人間的な言葉を言われ、それにうちのめされて、思考が停止してしまうことが何度もありました。

誰かに聞いてほしくて救いを求めたくて、「いのちの電話」に相談しました。

その時のカウンセラーの方のアドバイスは「これは、あなたが悩むことではありません。あなたの夫の問題です。」という明快な答えでした。

この言葉が救いとなり、その後の人生の変わり目となりました。

今、コロナ禍の影響で理不尽なことで苦しんでいる方も少なくないと思います。

どうしたら良いか途方に暮れるような日々を過ごされている方も。

コロナ禍で人間関係が分断されていることもあって、身近に相談できる人もいないかもしれません。

そういう場合は、まず、その町の市役所や教育委員会などの窓口に電話してみてはいかがでしょうか?いのちの電話の他にも、弁護士会、その他民間の相談窓口など、相談に乗ってくれるところはいろいろあると思います。どこでも匿名で電話相談できます。

娘が転入した中学校でいじめを受けたときも、元夫は「娘のことはお前に任せているんだから自分で考えろ。」とまったく相談に乗ってくれませんでした。

やむを得ずに民間の教育相談窓口に電話相談をさせて頂きました。
一人で悩んでいないで、救いを求めて下さい。

救いを求めること自体も生きていく力です。その力を発揮することをおすすめしたいと思います。