副反応 と 副作用 がん余命

 

知っているけれど曖昧な理解の用語

 

病気の状況が変わるごとに、今まで知っていたけれど理解が曖昧だった用語がたくさんあることに気づきます。

 

そのままにしておくと漠然とした不安に繋がりそうなので、用語の意味するところを私なりに理解していきたいと思います。

 

例えば・・・

 

副反応 と 副作用

 

このところのワクチン接種で副反応という言葉をよく聞きますが、副作用とどう違う?

ちょっと調べてみると・・・

 

薬やワクチンの使用後に起きる「嬉しくない影響」という意味では同じなのだけれど、簡単に言うと、治療に使う薬では「副作用」と呼び、ワクチンの場合は「副反応」と分けて呼ばれているようです。 

 

がん余命

 

この用語は言葉に強い響きがありますが、はっきりしない概念でした。

 

手術を執刀して下さったドクターの説明によると・・・

「平均余命というのは平均寿命と似たようなもので、今日本人の平均寿命は女性で85歳くらいと思いますが、85歳になったら皆死ぬわけではない。100歳以上生きる人もいれば、若くして亡くなる人もいる。統計というのはそういうアバウトなところがあり、あくまで大勢のデータの結果なので、そんなふうに考えた方がいいですよ。」と言ってくれました。

 

ちょっと検索してみましたが・・・

同じがんであっても、がんの種類やできた部位によって進行具合が違い、がんが増える勢いや治療効果なども人それぞれ。

それぞれの患者の余命を月単位で予測するのも難しいようで、まして年単位で予測する事は不可能に近いそうです。

そもそも、余命宣告は意味がないと言うことで、余命宣告しないドクターもいるそうです。

 

同じ「余命〇〇月、ステージⅣ」でも、がんの発症部位や転移の状況、大きさ、治療の効果、その人の年齢や、精神状況などによっても違ってくるとか。

「余命宣告の期間を過ぎましたね。」ということはしばしばあることです。

 

がんのステージと平均余命の関係などが説明された記事を目にすることがあります。

たとえば私のように大腸がんが発見された場合、転移が確認されれば一律「ステージⅣです」となりますが、

・転移先が肝臓・膵臓・肺などいろいろあり、

・元々の基礎疾患があった人かなかった人か、

・がんの摘出手術をした人かしなかった人か、

・手術後の合併症があった人かなかった人か、

・どんな抗がん剤を使いどのように治療してきたか、

・副作用はあった人かなかった人か、

・いつから治療を始めて何年生きてきたか

・男性か女性か、

・若い人か高齢の人か、

・体力のある人かない人か、

・明るい人か鬱な人か、

・喫煙してきた人かしなかった人か、

・飲酒してきた人かしなかった人か、

・忙しい人か暇な人か、

・趣味を楽しんでいる人か楽しみがない人か、

・大勢で暮らしてる人か一人暮らしの人か、

・・・

などなど、数えたらきりがないほど患者さんの身体や治療に関わる患者さんごとの違いがあり、考えたら私と同じようなパターンなどほとんどないと思えるような様々な患者さんのデータを集計して、単純に死亡するまでの期間を「ポン」と計算して出したようなものがもし平均余命の数値だったとしたら、どうして「それが私の余命なんだね。」って思えるでしょうか?

 

平均余命という数値がどのように計算されて出されるのか私は知りませんが、仮に昨年がんで亡くなった人が何10万人かだった場合、その何10万人かの内訳は、20年間生きてきた人もいれば数カ月で亡くなった人もあり、昔の抗がん剤で治療してきた人もいれば最新の抗がん剤で治療してきた人もいるなどして、同じ土俵、同じ条件で考えることなど到底できないと思っています。でも、そういった人々の生存年数のデータをもとに平均余命などが計算されているのではないかと思っています。

医師が良く、「人によっていろいろ違いますからね。」などと言われるのは、そういうことなんじゃないかと思います。

 

私自身のこれからの人生を、「そうやって出された平均余命などの数値で考えたくない。」という強い抵抗の思いから、「余命を考えることなど頭の隅からも取り払って、限りある人生を、出来るだけ納得できるようポジティブに楽しく生きていきたい。」と、今は思うようになりました。

 

さらに言えば、今まさに私のようにがんの治療を受けている人は、最新の、あるいはこれから出てくるであろう新たに開発される抗がん剤の恩恵をも受けられるわけです。

 

がんであってもなくても、人は誰でも余命の中で生きています。

でも健康であるうちは、そんな限りある命であることなど意識しないで毎日を過ごしています。私もそうでした。

でも、病気になったおかげで、一日一日が、かけがいのない大切な時間と自覚できるようになりました。死より生きることを強く意識するようになりました。

そして、本来の私の「いろいろしたい病」がうずうずしてきました。

前から気になっていていつか読もうと思っていた本を取り寄せ、届いたらその日の内に一気に読み切りました。

満足感いっぱいです。

 

 

余談ですが、これを書いているうちに、かなり以前、主治医との会話の中でこんな話をしたことを思い出しました。

「これまで胃も大腸も検査などしたことがなく過ごしてきて、もし1~2年前に検査していたらもっと小さかったと思いますが、がんというのは、できてからどのくらいの期間で今くらいの大きさになるんでしょうか?」と、聞きました。

医師は、「がんがどのくらいの期間でどのくらい成長するのか、そんなことは誰にも分かりませんよ。もしそれを確かめるとしたら、がんを放置したままでの人体実験をすることになりますから。世界中のどこの医者もがんが発見された時点から治療を始めるわけですから。」と答えました。

以前から疑問に思っていたことでしたが、医師からの回答を聞いて、「なるほど!」と、妙に納得させられたことを覚えています。