あれもしたい・これもしたい病(キャンプ編)

大腸がんのステージⅣと肝臓への転移を知らされた後、「手術が終わって無事退院できるまでは・・・」と、今までたくさんのことを我慢してきました。

今もって、手術も退院もできてないけど、「あれもしたい・これもしたい病」の妄想だけは激しく湧き出てきていて、「私は今、何を我慢しているんだろう?」と考えた時、「そういえば、去年はまだだったけど、一昨年の今頃はもうキャンプに出掛けてたんだね。」と思い出しました。

GW明けでまだ寒かったですが、私にとっては、北海道に来て初めて行くキャンプで、夫が道南の瀬棚町まで車を走らせ、「せたな青少年旅行村」というキャンプ場に、買ったばかりの小さなテントを初めて張りました。
日本海を眼下に見下ろせる小高い丘にあり、テントサイトも広く、眺望抜群の場所で、海に沈む夕陽を眺めながら写真を撮りました。

 

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せたな青少年旅行村(前方の丘の上がキャンプ場)

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眼下に見下ろす日本海

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海に沈む夕陽

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夕陽の海岸線

丘の上で眺めがいい分、夜になって海から吹き上がってくる強い風に悩まされましたが、広いキャンプ場も、遠くの方に一つテントを見かけた以外はほとんど貸切り状態でした。

 

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キャンプ場の夜

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朝のキャンプ場


「ここも海水浴シーズンには満杯になるよと」と管理人さんが話していましたが、まだこの時期に訪れるキャンパーは少ないとのことでした。

 その後、長期滞在も快適にできるようにと、2ルームタイプのテントにバージョンアップさせ、昨年は、雄武町にある「雄武日の出岬キャンプ場」に3泊もして、オホーツクの写真撮影を楽しみました。

今、コロナ渦になって、密を避けるレジャーとしてキャンプがよりブームになっているようですが、それでも人気キャンプ場に来ると、テントやキャンピングカーがいっぱいで、通り過ぎながら「密です!密です!」と感じる所もありました。

キャンプも、最初の頃はバーベキューの準備をして行きましたが、バーベキューは自宅で出来ることもあって、何回かキャンプする内に王道のキャンプ飯ではなく、食事は簡単になっていきました。

写真撮影などに時間を取られて、だいぶ遅くなってからキャンプ地到着となることもしばしばで、我々が到着した頃には、他の皆様方はもうお片付けタイムに入っていました。
そういう時は、セコマ(北海道のどこに行ってもある北海道民のためのコンビニ)のなべ焼きうどんやイオンのお惣菜を買うこともありました。

日頃、出来合いの物を買って食べることは少なかったので、それはそれで新鮮で楽しいものでした。
朝早いうちに写真を撮るため、朝ごはんを食べずに珈琲だけ飲んで出かけることもありました。お腹が空いたら、昨晩炊いたご飯で作った塩むすびを頬張り、家庭菜園で収穫したフレッシュトマトの美味しさに深くうなずいていました。

実は、夫と再会してから分かったことですが、二人とも偶然にも写真好きという趣味を持っていました。そのため、今はキャンプに行くのも写真を撮るというのが主な目的になり、テントは帰ってから寝るための宿になりました。

だから、写真を撮る場所に近ければ人気キャンプ場である必要はなく、昨年はコロナ禍ということもあって、なお余計に人が来ないキャンプ場を探して泊まっていました。

できるだけ土曜日の泊まりを避けて出かけていたこともあり、先ほどの瀬棚のキャンプ場も含めて、私たちしか居なかったという、ほぼ貸し切り状態のキャンプ場もたくさんありました。

これから手術を受ける私が、「またキャンプに行きたい」と語るのは現実認識からするとかなり甘く聞こえるかもしれませんが、私の場合は、「あれもしたい・これもしたい病」が前に進む原動力なので、近い将来実現できることをイメージしながら、希望をもってこれからの治療に専念したいと思います。かつての口ぐせの「I can!」を唱えながら・・

今後、薬の副作用などに悩まされるときもあるかもしれませんが、今も、抗がん剤治療を含めての医療は進歩しています。

とりあえずは、手術を無事終えて、廊下を歩いて、トイレに自力で行けるようリハビリも頑張ります。まずはそこからの目標です。